Lagonda Rapierは、1930年代のイギリスにおいて「もっとも洗練された小型スポーツカー」を目指して開発された珠玉の一台である。当時、ラゴンダ社は大型で高価な高級車を主力としていたが、より幅広い層にアピールするために投入したのがこの1.1Lクラスのレイピアである。
多くの小型車が単純な機構を採用していた時代に、レイピアは1.1L 直列4気筒 DOHCエンジンを採用。最高出力は約50hpを発揮し、5,500rpmまで軽快に吹け上がるこのエンジンは、当時のモータージャーナリストから「宝石のようなエンジン」と絶賛されていた。コンサルタントのティム・アシュクロフトによって設計され、コベントリー・クライマックス社が製造を担当していた。
ギアボックスは当時の高級車やレーシングカーに採用されていたENV製4速プリセレクターを搭載。あらかじめレバーで行きたいギアを選択しておき、クラッチペダル(実際にはチェンジペダル)を踏むだけで変速が完了する、セミオートマの先駆けのような機構を採用していた。
1935年、ラゴンダ社は経営難に陥り会社が再編され、その過程でレイピアの製造権は「レイピア・カー・カンパニー」という独立した会社に引き継がれ、1938年まで少数が生産され続けた。